being qua being

情報的な何かと政治的な何か

「温室効果ガス排出量の削減は将来の大気環境とヒトの健康の両方に利益をもたらす」という研究。まあそうだろうな。

温室効果ガス排出量の削減は将来の大気環境とヒトの健康の両方に利益をもたらす

*1

温室効果ガス排出量を削減すると、同時に放出されている大気汚染物質も減少することが多く、ヒトの健康にとっても有益である。二酸化炭素の削減によって同時に得られる利益の1つは大気汚染による死亡を防げることであり、地球温暖化緩和シナリオを基にその利益を推定すると、二酸化炭素削減量1トンあたり約50~380ドル(約5000~38000円)になった。この値は、2030年と2050年の温室効果ガス排出量削減の予想費用を上回っており、2100年の予想費用でも低い範囲に入る。

 

温室効果ガスの削減が直接的に人の健康にいい影響を与えるということではなく、同時に排出される汚染物質の削減につながるということが重要なのだという。

削減することによるメリットは削減しないことによるデメリットを上回るから、早く削減したほうがいいよという内容。

先日のCOP21におけるパリ合意は歴史的な合意と下記の毎日新聞で記載されているが、まだまだ実効性のある枠組みかどうかはどれだけ先進国が温暖化の被害に向けて資金を拠出するかにかかっている。

mainichi.jp

途上国の参加を促すため、先進国も譲歩した。温暖化の被害軽減に向けた世界目標を設定することを約束し、先進国から途上国への資金支援義務化も協定に盛り込んだ。

最後までもめたのは、資金支援の規模だった。先進国は、途上国が求める具体的な金額の設定には反対した。将来の財政支出を縛られることを嫌ったためだ。結局、数値目標はパリ協定に盛り込まず、法的拘束力のない別の文書に「年1000億ドルを下限に、新しい数値目標を25年までに設定する」ことを書き込んだ。

議長国フランスの巧みな折衷案だったが、支援が滞れば途上国が反発することは確実で、先進国の今後の対応が問われる。中国など一定の経済力を持つ新興国も、支援への積極的な貢献が必要だ。

 途上国がこうした枠組みに取り込まれることになったことは大きな進歩だ。こうした国際会議におけるフランスの議長ぶりも見事なものだった。

はてさて日本はこの会議でなにかを残したのだろうか。中国の一手と比べると日本の政治的なかけひきというのはかなり貧弱だ。

フランスもテロ事件直後に行われた会議で混乱があっただろうし、大国といえるような国ではないが、こういうときにしっかりと手綱を握る能力については政治的なセンスが根付いている。

日本も本当に強い国(戦争にという意味ではなく)になるのであればこうしたソフトパワー分野においても世界をリードしなければならんだろうな。

これは単に存在感という政治的なインパクトだけについてではない。

こうした新しい分野には技術革新の種が多く埋まっているため、産業の新陳代謝や将来投資を促進させることができるという経済、国力というメリットも踏まえて推進するものだ。

*1:

NATURE CLIMATE CHANGE | LETTER  

"Co-benefits of mitigating global greenhouse gas emissions for future air quality and human health"

J. Jason West, Steven J. Smith, Raquel A. Silva, Vaishali Naik, Yuqiang Zhang, Zachariah Adelman, Meridith M. Fry, Susan Anenberg, Larry W. Horowitz & Jean-Francois Lamarque

http://www.nature.com/nclimate/journal/v3/n10/full/nclimate2009.html