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中国政府奨学金の手続きについて注意すべきこと

かなりマニアックな話題ですが役立てて欲しいと思いエントリーを立てました。

中国政府奨学金とは?

中国政府奨学金はその名前の通り中国政府による外国人留学生のための奨学金制度です。日本のような先進国はもちろんのこと、アフリカや中央アジアなどのあまり裕福ではない国から留学生を受け入れるため政府もかなり力を入れています。(実際はアフリカ人でも政府高官の子息など裕福な人しか留学できない…)

そして日本では元々は文部科学省、現在は独立行政法人日本学生支援機構というところが募集をしています。2015年の募集要項をみてみますと募集人数は110名ということです。
中国政府奨学金留学生募集要項-JASSO

中国政府奨学金はおすすめの奨学金

この奨学金制度かなりいい制度だと思います。まず募集人数がかなり多いということが素晴らしい。先進国への留学は競争率も高く、そして物価が高く多額の費用がかかるため、募集人数が少なく抑えられてしまいます。しかしながら中国という地の利?を活かしたこの奨学金制度は毎年100人単位で採用してくれるのです。

奨学金には大学の授業料、保険代、学生寮費が免除、そして毎月3000人民元(58000円程度)の奨学金が与えられます。もちろん貸与ではなく給付です。残念ながら渡航費が含まれてないのがウィーク・ポイントではありますが、外国人寮は中国といえど高額ですので(1日70元ほど)奨学金を得ることができれば自己負担をかなり抑えることができます。

また中国語能力が要求に満たない場合でも奨学金の対象になるというのは素晴らしい点です。

中国語の能力が受入大学の要求に満たない場合は、1年間(最長2年間)の予科教育が課せられる。予科教育は、天津大学、南京師範大学、山東大学、華中師範大学、同済大学、北京語言大学、東北師範大学、北京第二外国語学院、 首都師範大学で行われ、語学研修だけではなく、中国文化や専門知識などの授業も含まれる。また、予科教育期間中も奨学金が支給される。

中国政府奨学金の問題点と解決策

ここまでは中国政府奨学金の良い点を上げてきましたが、よくわからない点も多々あります。例えばあなたが北京大学の法学部に入学したいとしましょう。そこで第一志望に「北京大学法学院」を出したとします。しかし実際は殆どの場合希望通り入学できることは無いと思います。この奨学金制度では出願校以外の大学に決定される場合もあるからです。

・ 申請にあたり、留学希望大学から受入の内諾を得ていることが望ましいが、なくても申請することはできる。
・ 出願後の留学希望大学及び専攻分野の変更は認められない。受入大学及び専攻分野の決定については、中国国家留学基金管理委員会(CSC)が関係大学と協議して行う。必ずしも希望の大学に配置されるとは限らない。
・ 北京の大学は、留学生の数が非常に多く、合格しても希望の大学に配置されない可能性が高いため、希望大学を選択する際は北京以外の都市にある大学についても考慮すること。
・ 既に中国の大学に在籍している場合でも、在籍中の大学に配置されない可能性がある。

日本学生支援機構のホームページにはこのように書かれています。ほとんどの人の場合「どこの大学でもいいから中国で勉強したい」という人は少数派でしょう。どこかしら自分の目的が達成できそうな大学に行きたいと考えているはずです。そういう人にとってはこの制度はかなりリスキーだと言えます。

「申請にあたり希望大学から受け入れの内諾を得ていることが望ましいが、無くても申請できる」と書かれている通り、確かに選考にさえ通過すれば中国のどこかしらの大学で勉強することは可能ですが、行きたい大学がある程度決まっている場合は、やはり事前に内諾を得ていたほうが圧倒的に有利です。そこで事前に内諾書を得ることをおすすめします。

中国の教授は知らない人から連絡が来ても無視される方が多いので(人間性というよりも多忙であったり、詐欺などが横行していることへの警戒だと思われます)できれば知り合いの中国人の指導教員に連絡をとってもらうとか、大学の中国人教員などのツテを頼りに希望の大学教授にコンタクトをとることが大切です。

内諾書と言っても実際、大学から正式に書類を発行してもらうことはかなり難しいこともあると思いますので、大学院などは指導教員から個人的な承諾を得ることができればその旨をメールや手紙で受け取ったというだけでも少しは奨学金審査委員会にプッシュすることができると思います。

中国での語学教育を修了してから奨学金を申請するのは有効!

事前に何にもコネクションがない場合はかなり優秀かつ運が良くなければ希望の大学(特にトップ校)にはいけないと思いますが、もう少し安牌でかつ、かなり有効的な裏技をご紹介しましょう。それは「有名大学の語学コースを活用する」方法です。北京大学清華大学、復旦大学、杭州大学などほとんどの大学には中国語コースというものがあります。

こうした中国語専攻のコースは授業料さえ払えばすぐに入学できますし、何よりもその後同じ大学の学部や大学院に入りやすくなるという大きなメリットがあります。ですので、もしコネ無し、内諾書なしで中国留学をするなら、まず希望の大学の語学コースなりに通いながら教授との接点を作り、中国語能力を高めつつ翌年の入学を狙うというと思います。すると事前に現地で内諾書をゲットする時間を得ることができますし、語学力もつきます。

現地で中国政府奨学金の面接を受けることはできませんので、翌年は一時帰国して日本で中国政府奨学金の面接なりを受けます。そのときに事前に学習したHSKの成果と内諾書を提出していればかなりの確率で奨学金を得ることができると思います。

すこし時間はかかりますが、本科生(学部生)や研究生(大学院)で中国留学を希望している方は時間に余裕があればこうした技を使ってみてもいいかもしれません。一番簡単に留学する方法は日本の大学の留学制度を使って奨学金をつけてもらうという手ですが…

中国政府奨学金の書類提出で気をつけるべきこと

  1. 内諾書があればかなり力強い推薦になる
  2. HSKの成績証明書にも和訳を添付する必要がある
  3. 高校の卒業証明書および成績証明書も必要である(英文・和文共に)
  4. 出願書にチェックの入れ忘れの不備が多い

中国留学と聞けば一昔前は風変わりな人が選択する国でしたが、現在はだいぶ多くの日本人学生が中国留学をしています。実際に現在の中国には世界各国からの留学生が集まっています。欧米人が苦労する漢字も、日本人なら読めるし、書けてしまいます。

こんな超アドバンテージを活かせる日本人なら、中国でも活躍できるチャンスがまだまだあると思います。中国に関心がある若者がこれからもどんどん多様な経験をしてくれればいいと思っています。