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文系大学院への進学において気をつけるべき3つのこと

私は文系学部を卒業し大学院へ進学した。同期で大学院進学したのは2,3人でマイノリティーであったが、自分自身の思考力を鍛えることができたという内部的な成長と多くの優秀な友人と出会い、外部のネットワークを広げることができたという外部的なメリットを享受することができ、大学院進学は正解だったと考えている。

しかしながら、デメリットも少なからずあるわけで、文系大学院への進学は誰にとっても薦めることのできる道ではない。そこで、大学院進学に当たって事前に良く考えておきたいポイントを3つ挙げてみた。

文系院卒は就職活動において決して有利にならない。

社会科学で大学院を目指す場合気をつけておきたいことが幾つかある。まず、お分かりの通り文系大学院卒業は就職では決して有利にはならないということだ。

これは不利になることを必ずしも意味しない。コンサル業界やシンクタンクなど一部の業界においては文系院卒が多く採用される。しかし、その枠は少なく、文系大学院に進学することで就職に不利になる企業はそれ以上に存在する。いくらその人次第とは言え、いたずらに文系院卒を採用していない企業の門をたたくのは時間の無駄だ。もし、入りたい企業が文系院卒を採用していないのであれば、進学するメリットはゼロだ。

研究職を目指すのであればこのポイントは無視していいだろう。ただし就職活動以上に猛烈な競争が待っていることは心に留めておくべきだ。

教授の研究とのマッチングより人間のマッチングが重要。

それでもなお研究を続けたいというのであれば、大学院への進学を歓迎したい。私は学際系大学院に進学したのだが、後悔したことはない。実際に外国の研究期間に留学したり、学外での研究以外の活動に参加することで充実した大学院生活を過ごしている。

しかしながら社会科学系大学院は基本的に放置プレイだ。一部の学際系分野を除き、教授の研究テーマの一部分を担当することは無く、自分自身の興味関心にもとづいて自律的に研究を遂行する必要がある。

つまり、指導を受ける教授とのマッチングは確かに重要ではあるのだが、それは入学時に研究計画を発表するときまでであって、入学後は先行研究のリサーチなどを進めていく上で当初の計画から変化することが当たり前である。

そこで、最も重要なのはこうした自身の研究関心の変化に伴って、アイデアを否定するのではなく、研究へのアドバイスや人の紹介などを行ってくれる指導者を選ぶことだ。これは理工系大学院での研究室の選び方とは大きく異なる点である。

また各種研究資源が手に入る環境を選ぶことも重要だ。自分自身で研究テーマを立て論文を仕上げなければならないので、論文や書籍が揃っている研究機関を選ばなくてはならない。そうした点で、有名大学は恵まれた環境が用意されている。

大学院で一番重要な科目は「英語」である。

これは文系、理系問わず重要である。大学院入試に関わっている方も口をそろえて、「海外留学生の優秀さ」と「日本人の英語能力の低さ」を語る。これは特に理系において顕著で、中国人留学生が多くの大学院でトップクラスの成績で入学してくる。

文系の大学院はそこまで留学生が多くないかもしれないが、論文では日本人に劣る彼らが点数を稼ぐことができるのは英語である。当然満点近くを取ってくる。理系の大学院でも英語の点数が合格の基準点を下回る場合、その他の試験の成績を問わずして不合格にするところが多い。特に外部からの受験生が多い大学院はその傾向が強い。

社会科学系においても同様と考えたほうがいい。東大の政治学研究科や経済研究科、総合文化研究科の国際関係などを見ても、試験は学部の卒業論文と英語のみだから実質試験となるのは英語だけである。かなり力を入れて勉強しなければ到底合格はできないだろう。

その他の社会科学系大学院も同様だと考える。私は公務員試験予備校に通っていたこともあり、大学院進学の予備校は通わなかったが、独学でも十分に合格できる。

 

英語ですべきことはこれらの5つである。

  1. 各大学院で公表されている英語の問題を解いてみる
  2. 試験の内容をチェック(英文和訳、和文英訳、英語論述)
  3. 出てくる分野を推測する(10年度:為替に関して、11年度:科学方法論、12年度:格差問題など)
  4. わからない単語をチェックする、単語力をつける
  5. 難関大学用の英文和訳問題集をひと通り解く

 

まず、英語試験の内容をチェックしながら問題を解くことを先にする。当然回答はついてこないだろうが、どんな問題が出るのかチェックすることに加えて、自分の英語レベルがどの程度かを把握するのにも役立つ。過去問はとりあえず全て解いてみる。

大学院入試では英文和訳がメインになると思う。それは大学院で英文の資料を読みこなすだけの最低限の力が必要だからであって当然のことだと思う。

専攻によって英文の内容が経済学ばかりであったり、社会学ばかりであったり、社会科学全般から出ていたりするが、よほど次の年も同じ分野から出ることが明らかでない限り、テーマを予想してヤマを張るのはオススメしない。そもそも英語力を測る試験なのだから、その分野だけ読めるのでは全く意味が無いし、外れた時の試験当日のショック度合いが非常に高いからである。

長文の和訳となると単語力が必要であるが、単語帳を購入して丸暗記というのもオススメしない。あくまでも英文を読む中でわからない単語を適宜調べて記録しておくのがいいと思う。ということで4と5にかんしては同時進行で、「問題集を解きながらわからない単語をピックアップする」というやり方が効率的である。

 

大学入試 最難関大への英文解釈―正確に読み解くストラテジー

大学入試 最難関大への英文解釈―正確に読み解くストラテジー

 

私が使った問題集はこの大学受験用の英文解釈、英文和訳問題集である。

大学院用の英文解釈問題集もないことはないが、大学院入試は大学入試に比べて個性が強く出るので志望する院によってはまったく使えず、本の値段も高いのでそれらを買うメリットはないと判断した。むしろ難関大学の大学入試レベルの英文解釈が出来れば英語の勉強などする必要もない。

錆びついた英語力をもう一度よみがえらせるためにこの本を一回通してやってみる価値はある。英文の構造を正しく理解して、わかりやすい日本語で回答を書くことのできる技術を身につけよう。

問題集だけでなく英語のニュースなどを読むことをオススメするが、流し読みではなくわからない単語は適宜調べたほうがいい。おすすめはWeblioというサイトである。例文や訳が非常に多く、発音も聞けるので重宝している。

わからなかった単語はスペルと訳をセットにしてワードパットにまとめておく、もちろんエクセルでもいいのだが、ワードパットを使っている。これは後々、Evernoteというクラウドサービスを利用して中身を記録しておく。

このEvernoteを使えば、外出先でもスマートフォンなどからわからなかった単語集を電車の中などで逐次チェックできる。エクセルやワードで管理するとなるとEvernoteのプレミアム会員にならなければファイルを開くことができないので、無料でするのであれば、メモ帳やワードパットのテキスト形式が最も適しているだろう。

この方法で私は最終的に100単語1ページの単語集が10ページほどできた。それを毎日電車の中などで眺めているうちに、何回もわからなかった単語が何回も出てくるうちに「またこの単語か」というように逆によく記憶してしまうのである。

さらに単語力を高めるために毎日寝る前に単語テストをすることにした。私が使ったのは主にこの2つである。

英語の語彙力の測定テスト~英単語のボキャブラリーレベル計測試験~ - Weblio

英語単語テスト 英単語学習SNS(無料) 英検合格者続出中!

ちなみに私はWeblioの方は受験一ヶ月前に90ptレベルで、英検単語テストのほうは1100ポイント台であったが、これが最低レベルだろう。十分だとは少しも思っていない。少なくともこのくらいは単語力が必要だと思う。

特に下の英検単語テストは手早く単語力をチェックできるのに加えて、間違った単語を記録するのにも適しているので手早く単語力を上げるのであれば、このテストで間違えた単語を集めてEvernoteに入れておくといい。

 

大学院試験に必要だと考えるレベルはSVLならLv7~10程度、英検なら2級から1級、北大英単語 Lv4、5、だろう。Weblioの方は私と同じ上級者90pt以上あれば大抵の問題に対応できるはずである。例えば、東大の総合文化研究科の場合、受験生のレベルも高いのでもう一クラス高いレベルで単語力をつけておくことをお勧めしたい。

英語はそこまで得意ではなかったが、本番では1つだけわからない単語が出たときに、毎日単語テストで新しい単語に触れていたこともあって、直感で単語の意味を把握することができた。後日調べてみたら自分の勘通りの訳語で本当に助かった。

たくさんの単語に触れているとそういった勘も冴えてくるかもしれないし、とにかく毎日英文解釈の問題をとくことと、わからない単語をチェックして、さらに単語テストでわからない単語を見つけ出すという作業が重要である。

 

社会科学系大学院へ進学するのなら上記の3点進学すべきだ。

私は人に説教できる人間では決してないが、自分の目標は何なのか?何をすればその目標を達成できるのか?十分に考え人を説得できるレベルまでその説得力を高めなければ、大学院進学はデメリットでしかないと感じる。

究極的には「何のために大学院へ行くのか?」という質問に自分自身が納得できる答えを見つけることが最も重要であることを忘れずに、進路を考えて欲しい。