being qua being

情報的な何かと政治的な何か

亀田誠治×箭内道彦 プレミアムトークライブ書き起こし


動画もUstreamにアップロードされていますので興味があってお時間のある方はそちらをご覧下さい。
2本で2時間半の超大作ですがとっても面白かったです。

111128亀田誠治×箭内道彦 プレミアムトークライブ(1) - eve136thevestream
http://www.ustream.tv/recorded/18797163
111128亀田誠治×箭内道彦 プレミアムトークライブ(2) - eve136thevestream
http://www.ustream.tv/recorded/18797940


  • 仕事について

亀 僕達の仕事は今日みたいな感じだからね。手を抜いてるんじゃなくて楽しむ。わくわくドキドキは表裏一体。色んな気持ちが混じり合ってるけど、その中で何かを生み出していく。共有する仕事。
箭 クリエイティブディレクションもプロデュースもあせかいたり色々するけど「なにもしないことが一番のプロデュース」だと思う。
亀 心の師を持つこと。照らし合わせを行う。「このままでいいのか」「もっといけるんじゃないか」と自分に光を照らしてくれる人を見つける。
箭 師匠は遠くにいたほうがいい。近いと照らし合わせの幅が狭くなる。忌野清志郎さんをどう自分に照らし合わせるかを考える。
亀 (エネルギーを)もっと燃やせ。仕事をしていくうちに出てくるブレを太陽の塔を見ることで修正する。
箭 百パーセント信じるのではなくて、そうではないだろという反発の精神がパワーになる
箭 (否定だけではなく)だったらこうでしょうと提案することが大切

  • 震災後の日本について

箭 自分のふるさとを考え続ける。元気な人が元気でないと大変な人を支えられないし暗くなってしまう。酒のんでゲロ吐いてていいんじゃないかとか思う必要はないんじゃないか。
亀 震災後、人が優しくなった。ほんとうに大変なことが起こった時、人間助けあう気持ちが自然と起こってくるんだなと思った。信号が動いてない中でお祭りをやる。それを見た時に人間って強いし優しいなと思った。
箭 ネットとか遠い人同士だと、心配するとイライラする。「被災してない人の心のケア」無力感に対して自分を責めだしてしまう。
箭 支援する人を支援する
亀 タスキを掛けあう
箭 最近の若いアーティストは、こんな事歌ったら誰かを傷つけてしまうんではないかとかこんな歌歌わなくてもいいじゃないかと思ってしまう。
亀 とにかく作るということを考えてみようよと呼びかけている。アウトプットは大人が考えるから。初心で作ろう。
亀 第一歩を踏み出すと案外人は歩き始める。その一歩が大きな決意がいる。閉じこもってないで外に出る。そういうことを自分一人で考えだすと大変だけど、外には人がいる。

  • 学生生活について

亀 大学に入ったら音楽をやると決めていた。ベース熱が炸裂してほとんど学校行かなくなってしまい、そのまま留年。両親は悲痛な顔。早稲田に行って将来何になるのかと思ったら留年、家族会議もの。しかし、いっこ下の学年の仲間がとっても良かった。そのおかげで楽しい学生生活を送ることができた。自己中心的にならずに、その仲間のお陰でやってこれた。
箭 受験の倍率が50倍だったので50回受ければいいと思ってた。デッサンは上手かったので3回受けてダメだった時、上手かったら受からないんじゃないかと思った。本当に絵が描きたいと思うまで絵を描くのをやめようと思った。福島の実家で手伝ってたら一年経っても絵を書きたいと思わなかった。一時間遅刻して受けに行った。その時に描いてやろうかと思った。芸大に入ることが最終目標になってしまった。博報堂博報堂に入りたいからという理由で入った。ダメな感じ。けど学生時代、古美術研究で3週間京都にいて仏像見ているうちに、今までやりたいことをだましだましやってきたなと思った。
亀 箭内さんと違うところ。僕はやりたいことは決まってたけど全然その目標が近づいてこない。悶々とした気分でずーっと続いていたのが学生時代。また取り残された。悔しかった5、6年間。
箭 別のベクトルで悶々としていたけど、志が一緒だと40代にこうやって似た者同士が集まってくる。
亀 40代になって自然に出会えてくる。人生捨てたもんじゃない。自分の目の前にやることを一所懸命やる。
箭亀 その最中は悶々としているけどね(笑)年取った人がはつらつとしていることがいい。


箭 むかしはCMはお金をもらって作ってるものなんかクリエイターじゃないと思ってた。しかし最近は作品じゃないもんって言うのは逃げだと思うようになった。あと謙遜するのをやめた。制作に関わった人に申し訳ない。こんな人達と毎日こんなすごいものを作っているんだと言えるようになった。
亀 全作品に誇りをもってる。全部自信作。悔いがあるものはない。ここ10年は、10年以上、いや全部、悔いのあるものは世の中に出していない。作るプロセス、チーム、アーティスト、一番初めの小さな生命体の部分から悔いのない作品を作っている。作品は残る。後世に残っていく。作品はもっと普遍的なエネルギーをもっている。人間がピンチだったり嬉しかったり悲しかったりしたときにすぐ取り出せるようなもの。ジャンルとかではなくて残っていくものを作りたい。
箭 作った人たちだけのものでなくて、受け取った人のものになっていく。CDの値段ってもっと色んな値段があっていいと思う。
箭 品がある作品が好き。自分が品ないから(笑)
亀 作品の奴隷。作品が良くなるためなら自分はどんなことでもする。どんな労力でも惜しまない。喜んで作品の言いなりになる。


  • 後半

亀 ずっと過去から続いてくる時間の中で作っていくもの、受け取っていくものは震災によって少なからず影響を受けると思うけれども、音楽の音を鳴らすこと、目的。そこから厳選から湧き出てくるところから作っていくので、そういったところから未来の力になっていってくれればと思う。
箭 振り返ると、あのとき変わったなと思うことはあるけれども、今必死に生きてる中で生み出す。すべての商品広告が公共広告になっていくといいんじゃないかな。
亀 あらかじめリスクの大きいことに関してはメディアに監視されてる。突っ込まれどころ満載。作ることが小さくなってしまってはいけないと思う。

  • 「人生で一番感銘を受けた映画は何ですか?」

亀 なんでいつも無人島に持ってくとか人生でとか一つにしぼんなきゃいけないの!
亀 ニュー・シネマ・パラダイスが好き。少年願望。
箭 なんでスターウォーズを見てないかという特集を組まれたくらい映画を見ない。どうしても15秒で考えてしまう。逆にあまりにもみないから何見ても感動してしまう。この間見たのはエンディングノートというドキュメンタリー映画。モテキも見た。麻生さんが森山くんに振られるシーンがグッときた。けど周りのOLはゲラゲラ笑ってた。その全体が楽しかった。
亀 速読早い(笑)※文字に起こすと面白さがわかりません。

箭 コミュニケーションに関して。相手を愛すること。本当に好きになること押し付けではなくて、愛され愛すること。たくさんの人と何かのイベントをやる時に、好きな人同士を引き合わせるとなにか緊張する。二股三股は当たり前。一番がいっぱいって良くないですか?
亀 相手に合わせることが好き。相手のペースが好き。自分一人だとしんどくなる。相手がいる時に相手を鏡みたいにして自分を引き出していく。相手が成りたがってたり、相手に移ってる自分を当てはめていくと驚くほど仕事がうまくいく。面接する時に自分をアピールしなきゃと思うでしょ?けど話をよく聞くというスタンスで望むとうまくいく。自分の思ってることを全部言うとかアピールしようとかいうのがいいわけではない。
箭 相手にうつしあってる。同じ所ばっかり探すと、似たもの同士で在り続ける呪縛に縛られる。似たとこがあるから好きになるのだけど違う所があるから尊敬しあえる。

箭 バンドっていいなと思う。広告の仕事をバンドみたいにする。なかなかそうはいかないけど発注業務だし…広告作ってる人に音楽との共通点を尋ねてもないというかもしれない。もちろん業務では使うけれども。けどもっと混ざり合いたいと思う。
亀 もともと広告業界音楽好きは多いけれども、箭内さんがその人達とは違うのはアーティストを結びつけてくれる。音楽のデータや
自分でギターを弾いたりする人は多いけれども、箭内さんは体温の部分で暖かいものがある。音楽的な広告をお作りになってるような気がする。
箭 ミュージシャンになりたかった。第二希望で美術というところがどこかにあった。だから出来る人を尊敬する。洋楽の洗礼を受けていない。日本語の歌詞が好き。広告って応援だと思う。会社、製品、使ってくれる人たちの応援。これが亀田さんと広告の共通点。
亀 応援ソングでなかったとしてもみんなのもとに届いた時に応援になるとうれしい。僕自身が音楽に応援されているので結果的に応援になってればいい。人が喜ぶ音楽を作りたい。それが自分が喜ぶ音楽だから。いいものが詰まっている音楽を届けたいし、広告というものがそれを応援するような関係。
箭 商業的というものも、例えばタワーレコードはいい会社だから好きになってほしい。それが商業的だと批判されるのならそれでもいいと思う。誰かにすきになって欲しくて努力する。良い人に見られたくていいことをしたらいい人になってしまった。それでいい。

箭 ファンの人売れて欲しいけど売れて欲しくないという気持ちがあるけれど、売れて欲しいと思って欲しい。ミュージシャンって本当に貧乏(笑)ミュージシャンにちゃんとお金を渡していい音楽を作ってもらうこと。応援してみんなで支えてほしい。次のCDが出せないというひとはたくさんいる。好きな人のCDは10枚くらい買って(笑)AKB方式ではなくて。AKB批判ではないよ
亀 応援したくなるバンド。カクカクシカジカの理由で芽が出なかったり、才能があるのに芽がでないバンドを水面下でも応援していますし、イベントを作ったりしています。事変はホーム。プロデュースは一切してない。人前で演奏しているということは重要で、バックバンドではなくてメンバーの一員として、反省会をすることがバンドを始めた頃の自分に戻してくれる。

  • 「過去の作品をどう見ているか」

箭 僕は全く見ない。本屋とか行くと悔しいもしくは真似したくなるので近づかないようにしてる(笑)似ないようにとか肩肘張って作ったりしない様にしている。似てる似てない問題はなんにもない。
亀 僕はたくさん聞くし、たくさん読むけど、自分超えがしたい。なんかこれ前やってるというのは気になる。そことの戦い。もっとやれるだろ俺、できるだろ俺という。とにかく聞いたり弾いたりすることが好き。別け隔てなく好きなものが好きと言える自分を保ちたい。自分の作る作品に関しては自分を超えていきたい。
箭 代表作は最新作。アレみたいなの作って下さいと言われるのが一番つらい。ドキドキしなくなる。やったこと無いことを必ず自分に貸していかなければいけないと言うか。
亀 僕もクライアントさんに言われるけれども、心の底では違うエッセンスを入れたいと思っている。断れるような人ではないので(笑)

  • 「日本人とは」

亀 今、日本人は一番未来に向き合ってる。これからさきどうなっていくのだろう。けれど希望を持って進まなくてはいけない。手塚先生が描いたような未来にはなっていないけれど、向き合っていかなかればならない。
箭 食い物うまい。日本人の作る味の緻密さは海外のとは一桁二桁違う気がする。
亀 勤勉と言うより繊細。だからこそタフに生きていかなくてはならないと思う。
箭 ほんと繊細とタフの狭間ですよ。ありのまま、さりげなさをずっと進行してきた。けどそれだけじゃ進行して行かない部分ってあるじゃないですか。自分を変えていく。例えば髪の毛をVの字にするとか(自分で笑)服装とか髪の毛とかじゃなくて、ちょっと背伸びしたりむちゃしたりしないといけないかなと思いますね。

  • 「ミュージシャンとデザイナーはどちらが長けているか」

箭 ミュージシャンだと思う。デザイナーはそれを追いかけてる。デザインということばが好きでなかった。高級なモノのように扱われてる。音楽はその問題をクリアしている。デザインにカラオケみたいな場所って少ない。自分で歌にするというか。
亀 デザインという言葉は距離があるように取られてる。美術館とかそういう高いところというか
箭 壁画に美術館の解説が付けられてるじゃないですか。それでなくて、父ちゃんがでかい生き物見つけたんだけど逃しちゃって、えぇーみたいなものをイメージしたらキラキラしてくる。
亀 森本千絵さんが言うには音楽家は0を1にしているからすごい。デザイナーは1から10にしている。けどそれって1から10にしているのだとしたらそれってすごいんじゃないかと思うんです。みんなに届くように、後方支援ではないけどそれはありがたいと思う。
箭 広げる前のもの、そのもの単体で誰かを喜ばせたいと思うけどそれはないものねだりだったり
亀 僕もアレンジャーとしてアーティストが持ってきたものを1から3くらいにしている。そういうったことがあるので1から10にしてくれることには感謝している。

  • 「仲の良い友人は誰ですか」

箭 友達いないと思ってた。それをインタビューでも言っちゃってた。そしたら何人かの人に「俺友達じゃないの」って寂しそうに言ってもらって。僕少し親友恐怖症というか。小学生の時親友の名前を描くという授業があって、そのとき怖くなっちゃって。親友だと思って書いた子が自分の名前を書いてなかったらそれを見た先生はどう思うだろうって。そのときかけなかった。どこから親友なのか付き合っているのかってありますけど…そこから逃げてきたんですけど、同じ物を作ったり、乗り越えたりしてきた人たちは友達って言っても良いのかなとおもったり。だんだん友達ってことが怖く無くなってきた。押し付けじゃなくて淡々と友達って言えるように今日なった。(笑)亀田さんは友達? 
亀 友達ですよ。(会場拍手)
箭 ありがとうございます。いやものすごい怖かったです
亀 友達っていうのは、時間を共にしたり仕事も、価値観を分かち合えたり、切磋琢磨したり、刺激を受けるってことですかねぇ。僕もLIVE福島出たいですって箭内さんにメール送って。朝の5時くらいにしたら2,3分後にメール帰ってきて。あと何年もあってない人、10年20年でも、同じ空気を分かち合える友達っていうのがいて。これから先みなさんもどんどん増えていくと思う。急に増えるってことはなくて、それは増え過ぎで、素直に自分見せていくと友達に出会う機会が増えていくと思います。あまり守ならいで開いていく。
箭 Ustream配信について。意外と見てるんだよね。結構みんなみてる。本気で応援してたら意外と見てる。

  • 最後に

亀 実は今年自分から行くって行ったんですよ。同じ事をやるのもあれなので箭内さんに声かけたら即答で
箭 約束をするっていうのは苦手。来年も秋に京都に来るとおもってすごしたらいい一年になりそう。
亀 来る気マンマンです(拍手)