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日立マクセル製 カナルタイプヘッドホンHP-CN45レビュー

日立マクセル製品紹介(HP-CN45)
http://www.maxell.co.jp/jpn/consumer/headphpne/hp_cn45/index.html
インプレスHP-CN45
http://ad.impress.co.jp/special/maxell1103/

maxell 高音質 カナル型イヤホン ブラック HP-CN45-BK

maxell 高音質 カナル型イヤホン ブラック HP-CN45-BK

maxell 高音質 カナル型イヤホン ネイビー HP-CN45-NY

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  • 1曲目『Up!−Shania Twain』

アメリカ産ポップ・ロックアルバムのテスト。シャナイア・トゥエインのパワフルな中音域が聴きやすい。ドラムのバランスも良いと感じる。低音域のバスドラからハイハット、シンバルの中高音域までしっかり表現されている。全体的にコンプが強めに掛かっているアルバムなので繊細なシンバルの響きまでは評価不可能。

クラシック・ヘッドホン味付けのテスト。CD録音の段階からそこまでいいとは言えない作品だが、あえてこのようなアルバムで聞くことで音の味付けを知ることができると考えている。弦楽器の響きはそこそこ優雅に聞こえるが、管楽器、ピッコロ共に迫力不足。オーケストラの音圧を表現することは出来ていない。よって味付けはほぼ無し、低音域の弱さは気になる。

ライブ音源独特の空気感を表現できるかのテスト。左右にふられているギターはきっちり聞かせてくれる。やはりここでもシンバルの響きに不満。スネアのヌケなどは非常に良いが、味付けがフラットなため、ロックのライブ音源を聞くには物足りない。少しこもっているのも気になる。

アナログ機材を用いて録音されたアルバムの表現テスト。このタイプのアルバム(アナログ機材録音)との相性は非常に良いらしい。リボンマイクを用いて録音されたハーモニカ、ギターの響きは、すぐそこで演奏しているかのような印象さえ与える。テープ録音独特のコンプ感で圧縮されたボーカルも迫力がある。古臭いサウンドを最新のデジタル機材で再生するとこうなる!と言わんばかりの素晴らしい相性。

  • 5曲目『Perfume - Dream Fighter』

テクノ・4つ打ち打ち込み音源のテスト。まず最初のピコピコした電子音から非常にクリアで迫力ある音を奏でる。歪んだベースもしっかり鳴らし切っており、低音で耳が震えるのではないかというほどの迫力。逆にスネア、バスドラム、シンセベースの存在感があるため、ボーカルが浮き立ってこないとも言える。定位感は非常にあるが奥行きのある音とは言えないだろう。(音源形式のせいでもあるがAAC 256kbps,44.100kHz)


J-POP・ロック音源のテスト。ドラムの解像度があまりよくないという評価をしていたがこの曲においては全く気にならない。ハイハットからスプラッシュシンバル、ライドシンバルのカップ部分などのシンバルの中でも特に高音域に属する音の表現は非常にクリアで聴き応えがある。またベースも浮き立ってくるくらいに聴きやすい。

同じくJ-POPの音源テスト。このグループはマスタリング時、非常にコンプを強く掛けているのか音圧が高いように感じる。この方法は安いヘッドフォンやあまり出来の良くないスピーカーでもそこそこの音を鳴らすことができるために最近では非常に多くのロック系アルバムに使われているが、逆に音のバランスが悪く、圧縮されているためひとつの音が発揮ししすぎてしまい、全体として音がバラける傾向にある。今回のヘッドフォンでもそれを体感した。ベースの音量が非常に大きい…

  • 8曲目『Bill Evans−Someday My Prince Will Come

最後はジャズ音源のテスト。びっくりするくらいしっかり表現されている。特にベース、ドラムのブラシ、ライドシンバルの響きを楽しむことができる。もちろんピアノも艶のあるビル・エバンスの和音が響く。このアルバムは2008年にリマスターされているので音源自体がクリアになっているのもあるだろう。そこで1970年リリースのPIANO PLAYERも同じように聞いてみた。フォルテで弾いている部分が音割れしているのはおそらく元々であろう。



ポータブルヘッドホンAKG K26Pとの比較だとポップ・ロック系はAKGが得意かもしれない。理由は全体的な解像度はHP-CN45に負けるが特に女性ボーカルの声が聞き取りやすい。耳元で囁かれるようなウィスパーボイスなどはK26Pが向いているように感じる。ただK26Pはドンシャリ味付けがこってりされているので、できるだけフラット&クリアな音楽を聞きたいという人には向いておらず、どちらかと言えばHP-CN45をおすすめしたい。

しかしこうやって改めて比較してみるとAKGの味付けというのは、実に個性的かつ自然である。矛盾しているようであるが、まさにそうとしか言えない。製品の性能自体はSONY、オーディオテクニカと比較して格段に良いというわけではないが、ロック・クラシック・ジャズ、どんな分野においても生のような迫力ある演奏を楽しみたいのであれば、AKGの方が格段に素晴らしく演奏に聞こえるだろう。これはK26Pに限らず上位機種のK701においても同じだと感じる。

最後にHP-CN45は「低音がしっかり鳴る」という印象を持った。これはドンシャリという意味ではない。ソニーにMDR-EX310SLというほぼ同価格帯のイヤホンがあるが、こちらは「非常にクリア」という印象を持っている。

SONY 密閉型インナーイヤーレシーバー EX310SL ブラック MDR-EX310SL/B

SONY 密閉型インナーイヤーレシーバー EX310SL ブラック MDR-EX310SL/B

意外かもれないがソニーは全てのヘッドホンがドンシャリなわけではない。いくつも試聴すればわかるはずなのだが、未だに安易に「ソニー=ドンシャリ」という視点からしかモノを言わない自称ヘッドフォンオタクが蔓延っている気がする。今回購入したHP-CN45はEX310SLと比較して低音の粘りが優っているように感じた。また予算5000円以内という制約のもと探したため、正直に言って一番良かったEX510SLが購入できなかった。

インナーイヤータイプは音が逃げないためにこもりがちだが、鼓膜に近い分非常に聴きやすい。そのためそこまで高いものでなくてもそれなりのものを買えばクリアに音楽を楽しむことができる。私は以前通学用に980円のインナーイヤータイプを使っていたが、さすがにこの価格帯のものは形が耳に合わず、しかも低音が逃げやすいのが弱点であった。インナーイヤータイプであっても安価なものは低音の解像度が著しく低い。また響きが平面的で定位も分かりにくい。その後使ったPHILIPSの安価なものも同等だと感じた。

逆に家ではSONY、AKG、ローランドのスタジオヘッドフォンを使っている。静かな部屋ではいいヘッドホンで思う存分鳴らし切ったほうがいいと考えているためである。趣味で作曲をしているため基本的に密閉型でオープン型は持っていないが、SONYのMDRシリーズはデイリーユースで活躍している。

特にMDR-XD100は一応区分としては密閉型であるが、安っぽいプラスチックのヘッドバンドのためガバガバでオープン型のようなものである。一番安価なヘッドホンである意味有名なだが、性能は値段以上(ある意味性能はこれ基準にせざるを得ないが…)ヘッドホンアンプを通せば実用に全く問題ないと感じる。YouTube、映画鑑賞など特に音にこだわらない用途は全てこのヘッドフォンを使っている。

話が大分それてしまったが、インナーイヤータイプでコスパが最もいい価格帯はどこか探した結果3000円〜5000円という結論に達した。モンスターやETYMOTIC RESEARCH、SHUREのインナーイヤータイプも体験したが、街中の雑踏の中で、電車の中で聞くには非常にもったいない。むしろ家で心ゆくまで使いたいと感じる製品であった。しかし、前述のとおり私は家ではヘッドフォン、またはスピーカー派なのでわざわざ2万円もするインナーイヤータイプを買おうという気にはならなかった。よって性能と値段のバランスが一番いいこの価格帯で検討したのである。

先ほど挙げたソニーのEX310SL以外にもこれらの製品との比較で今回HP-CN45を購入するに至った。

【国内正規品】 ゼンハイザー カナル型ヘッドホン CX281

【国内正規品】 ゼンハイザー カナル型ヘッドホン CX281

正直どれもいいヘッドホンだと感じる。個人的にはAKGのインナーイヤータイプも体験してみたかったが取り扱いが無かったため出来なかった。もしAKGもあったとしたらAKGにしていただろう(笑)


HP-CN45を買おうと思っている方の参考に少しでもなれば幸いである。